住生活基本法

下記、国土交通省HPに住宅の主な施策が掲載されている。

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/index.html

その中に住生活基本法がある。

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000011.html

 

住生活基本法の基本理念には、住生活の基盤である良質な住宅の供給、良好な居住環境の形成、居住のために住宅を購入するもの等の利益の擁護・増進、居住の安定の確保が謳われている。しかし、これ以上に重要な点は①政策対象を「住宅」から「住生活」に拡大したこと ②国・地方行政のための「計画法」から、事業者、居住者の責務をも含む住宅や居住のあり方を示す「基本法」としたこと ③政策手段を、さまざまな担い手が共有する努力目標となる「市場重視」としたこと ④政策主体を地方行政、地方業界、地方組織等にシフトしたこと であり、今後の住宅政策の枠組みを提示したことであろう。」(日本住宅会議編:40-41)

 

「住生活基本計画はこうした法の基本理念を具体化し、住生活安定向上施策を総合的かつ計画的に推進していくための計画である。ここには「住生活」の安定の確保と豊かな「住生活」の実現が謳われ、住宅は社会的性格を有する生活の基盤で、社会生活や地域コミュニティ活動を支える拠点として位置づけられた。計画は、中長期的ビジョンを示すべく10年間を計画期間とし、「ストック重視」「市場重視」「関連分野との連携」「地域性への対応」を横断的視点としてとりあげている。」(日本住宅会議編:41)

 

「住生活基本計画のポイントは次の政策手法の転換の諸点であろう。①基本的施策の実践、実行プログラムが重要で、とくに、民間事業者・地域の事業組織・NPO・住民等の事業推進のための共有プログラムとして計画すること。 ②「豊かな住生活」は国民の自己選択、自己責任によって実現し、これを支える市場環境整備と事業者の自律的取り組みを促す計画的プログラムとすること。 ③住宅における格差是正は、さまざまな公正な選択性を確保することで、市場基盤整備が主たる取り組みとなる。そのうえで、市場で対応できない者に対するセーフティネットの確立が必要である。 ⑤計画の説明責任を果たしつつ機動的に見直していくため、成果指標(数値目標)の設定と達成状況の評価を行うこと。このため、成果指標の設定(計画)と施策・事業の実施と達成状況の評価のPDCAサイクルが重要である。」(日本住宅会議編:41-42)

 

日本住宅会議 編 2016  『 深化する住宅の危機――住宅白書2014-2016 』 ,ドメス出版